【週刊 戦略調達 vol.69 2010.8.3】
企業は取引先が8割5分

【第2回MBA 非公式分校開催のご案内】

初回から10人参加と好評だったテキサス大学オースティン校 McCombs
MBA非公式分校ですが、第2回の開催が決定したとのことです。MBA非公式
分校の詳細は⇒ http://www.insightnow.jp/communities/id/79

今回は参加者持込のリアルケース。テーマは普段目にする○○の商品企画
です。リアルなケースだけに公開できない部分がありますので、○○が何
かは参加者のみに公開との事です。

第2回の概要は以下の通りです。

■ マネジメントトピックスに関るディスカッション
◇日時:8/21(土)17:00-18:30
◇テーマ:商品開発
◇マネジメントトピックス:今回は参加メンバーの実際の商品開発企画を
ケースに取り上げます。その商品は、普段あなたも手にしているだろう○
○。さて、あなたなら、今回の課題に対して、どのような商品企画を立て
ますか?
◇参考図書:「ヒット商品が面白いほど開発できる本」太田 昌宏著 中経
出版(参照リンク: http://amzn.to/bnkajq )
◇開催場所:株式会社 戦略調達オフィス セミナールーム
(http://www.mapion.co.jp/m/35.68215_139.736241666667_9/)
東京都千代田区麹町6-2-6 ユニ麹町ビル4階(JR 四谷から徒歩2分。1階に
みずほ銀行が入っております。入口は建物を正面にみて左脇です。)      
◇費用:1,000円(税込)。当日会場にてお支払い下さい。必要な方には
領収書を発行します。

■ Think&Drink
◇日時:8月21日(土)19:00頃から
◇開催場所:四ツ谷(詳細未定)

■ 申込方法
マネジメントトピックスに関るディスカッション、Think&Drinkの何れも
会場設定の関係上、http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=32042
から予めお申し込み下さい。

■ 今後の予定
9/24(金)19:00- テーマ:「マネジメント教育」
参考図書:「MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方」 ヘンリー・
ミンツバーグ著( http://amzn.to/91ikzQ )

10/22(金)19:00- テーマ:「twitterの貴社ビジネスへの活用」
参考図書:「Twitter マーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきの
ルール」山崎 富美 他著 (http://amzn.to/cIcEXt)

11月以降も毎月第四金曜日に開催予定

■ 詳細お問い合わせ先
非公式分校事務局(hookem_mccombs@yahoo.co.jp 全角@を半角@に代えて
下さい)宛にご連絡下さい。
    
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【今週のトピックス】

批判はあるようですが「人は見た目が9割」という書籍がヒットしたこと
もありました。

それでは企業は?

「企業は取引先が8割5分」です。どういうことか数字を以って説明します。

この根拠は財務省のシンクタンクである財務省財務総合政策研究所が行う
法人企業統計調査からきています。

法人企業統計調査は、日本の営利法人等の企業活動の実態把握を目的に約
3万社近くを対象にその決算数値をとりまとめるものです。標本調査です
が、2008年度以前は資本金10億円以上の企業が、2009年度以降は資本金5
億円以上の企業が全数抽出されると共に、上場企業以外の企業の数字も数
多く含まれているため、業種別の財務比率を把握するのに有益な資料です。

今回は、あるセミナーで使用するために、企業の売上高に対して外部に支
払われている支出の割合を調べました。その結果、製造業も、非製造業も、
そのため全産業も売上高に占める外部に支払われている支出の合計は85%
になりました(この中には減価償却費も含まれていますが、計上のタイミ
ングの違いこそあれ外部に支払われているという意味で、設備投資を便宜
的に減価償却費を用いて捕捉しています。)

つまり、企業の売上にしても、利益にしても、ビジネスの仕組みにしても
その8割5分が外部の企業、貴社にサプライヤ、仕入先、ベンダーといった
材・サービスを提供している取引先によって培われていることを2008年度
のこの数字が示しています。

当然、この取引先が8割5分という数字は、業種を細かくみていくと違いが
出てきます。2008年度の調査では、卸売業では94%、小売業が87%でした。
流通業は仕入れが多く占めるのでこの数値が大きくなるかと思いきや、自
動車・同附属品製造業で89.5%、情報通信機器器具製造業で87.6%、食料品
製造業で86.5%と、メーカであっても、業種によっては8割5分以上の売上
が、取引先によってもたらされているないしは持っていかれているという
ことが分かります。

尚、時系列でこの数字を見ていくと、非製造業は1999年当時から対売上高
外部支出の比率は85%で、多少の上下はありますが、この10年間でその比
率は大きく変わっていません。

一方で、1999年の製造業の対売上高外部支出の比率は79.8%で、この10年
間で右肩上がりで5%ほど外部支出の割合が増加したことになります。こ
の背景には、メーカもコア・コンピタンスへの注力を進め、原材料・部品
から部品を組み合わせたモジュール、製品での取引を増やしていること、
多機能・高品質ということに対して対価が支払われなくなっている、それ
では売れなくなっていることなどがあると考えられます。

外部に支払われている費用は原材料や部品だけではありません。それは、
R&Dでの市場調査、研究開発委託に始まり、製品出荷の物流、販売店舗の
賃借ないしは取得費用、店舗の内外装工事、業務インフラのIT、人事等の
アウトソーシング、経営のアドバイスに関わる顧問料、コンサルティング
費用など、様々な形で企業は外部から力を借り、それに対して対価を支払っ
ています。その結果が「企業は取引先が8割5分」という数字で、製造業は
この数字が更に大きくなる傾向にあります。

ここで気をつけなればいけないのは、8割5分ものお金が外に逃げているの
で、それを短絡的に削れば良いということではないということです。ここ
で申し上げたかったのは、たとえメーカであっても、すべてを自分で作っ
ているのではなく、売上、事業の8割5分が取引先によって支えられている
という現実なのです。

つまり、事業、商売を成功させようと思ったら、単純な取引先からの買い
叩きや社内のコスト削減ではなく、この8割5分の費用をいかに売上、利益
に貢献する生き金にするかということを考えなければ大きな成果は得られ
ないということです。そして、この費用を死に金にするか生き金にするか
は、取引先ではなく貴社の社員に掛かっているのです。なぜなら、どの会
社とどのような取引をするかを決定し、それが望んだ以上の結果を出して
いるかをコントロールしているのは、取引先ではなく貴社になります。

弊社の代表が総合商社に勤めていた時に、複数の上司、諸先輩から、「商
社は人を使ってナンボだ!」と口を酸っぱく指導されたとのことです。こ
う言われた時は「何て偉そうに」と思っていたとのことですが、「自社が
望む以上の材・サービスを提供してもらい、自社の事業、売上、利益に貢
献して頂く」という良い意味で解釈すれば、これは総合商社、大企業だけ
ではなく、弊社のようなベンチャー企業を含めて、企業規模や製造業、サー
ビス業、流通・小売、IT関連などの業種を問わず、いずれの企業にも通じ
る言葉かと思います。

そうした個々の取引の大切さを忘れないためにも、

「企業は取引先が8割5分」

という数字を常に頭のどこかに置いておいて頂ければと存じます。

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【2010年ストラテジックソーシングベンチマーキング調査結果のご案内】
~日本の調達・購買部門は、コストセンターと認識されパフォーマンス管
理が不十分、人員の手当て不足、IT・ツールの導入不足が課題

まず、お忙しい中、当調査にご協力頂いた多くの方々には御礼申し上げま
す。お陰様で、無事、本調査報告書をまとめることができました。

本調査により、日本の調達・購買部門は、コストセンターと認識されパフォー
マンス管理が不十分、人員の手当て不足、IT・ツールの導入不足が課題で
あることが明らかになりました。

調査結果のまとめは、http://www.samuraisourcing.com/news/100708.html
にてご覧頂けます。

また、今回の調査により、日本の調達・購買機能の更なる向上には、業種
別、規模別などの属性別分析や時系列の推移等のより詳細かつ継続的な分
析が求められることから、今後も本調査を継続し、定期的に調査結果をま
とめていくことと致しました。

当調査の詳細と継続調査への参加申し込みは
http://www.samuraisourcing.com/service/benchmark/ をご覧下さい。

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【株式会社 戦略調達からの他の情報提供のご案内】
■調達・購買コスト削減、業務改善にお悩みの方必見!「どこから始める
 調達・購買コスト削減?」セミナーテキストを無料配布】

弊社では、先般開催し、高い評価を頂いた「どこから始める調達・購買コ
スト削減?」セミナーテキストを無料配布しています。

詳細はこちら⇒http://samuraisourcing.com/news/post_10.html

セミナーテキストの申し込みは、タイトルを「どこから始める調達・購買
コスト削減セミナーテキスト希望」として、

    * お名前
    * 会社名
    * 部署名
    * 役職名
    * お勤め先メールアドレス
    * 電話番号

をご記入の上、ms1@samuraisourcing.com 宛に、もしくはこのメールの返
信にてお申し込み下さい。

※当資料の配布は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方向けに行っ
ているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、コンサルティン
グ業やソリューション提供業の方の申し込みについてはお断りさせて頂き
ます。ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

■調達・購買から始める環境経営、環境調達.com
弊社では、喫緊の課題である環境問題に調達・購買活動から貢献すべく、
環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それに資する優良なサ
プライヤの紹介など、企業の調達・購買活動からできる環境経営に関する
情報発信を行う、環境調達.comを運営しています。

環境調達.comはこちら⇒ http://samuraisourcing.com/knowledge/green/

環境調達.comの開設に合わせて、毎週木曜日+都度、環境調達.comの新着
トピックスを無料でお届するメールマガジン「環境調達.com」の配信も開
始しました。メールマガジン「環境調達.com」のご購読はこちら(ご購読
は無料)⇒ http://www.mag2.com/m/0000293666.html

■調達・購買部門のマネジメントblog 「調達・購買部門の縦と横」
調達・購買部門のマネジメントのあり方について、1.部門マネジメント、
2.体系化、3.実践という弊社独自の視点により、ブログ形式でまとめ、弊
社サイトにご登録頂いた方に限り公開しています。詳細はこちら⇒
http://samuraisourcing.com/knowledge/blog/

※「調達・購買部門の縦と横」は、調達・購買・物流関連業務に携わって
いる方向けに行っているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、
同業他社様からの申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて頂
く場合がございますこと、ご了承願います。

■調達・購買プロフェッショナル登録
当制度は、弊社でのポジションの有無に関わらず、調達・購買業務でキャ
リアを形成したいという方々に、希望する調達材カテゴリやご経歴などを
伺い、適したポジションの募集が生じた場合に、優先的にご登録頂いた方
へ働きかけるものです。

ご登録頂いた方には、定期的情報提供やトレーニング、各人の研鑽を目的
としたディスカッションセッションなどへのご招待といったメリットがあ
りますので、是非ご登録をお願いします。詳細はこちら⇒
http://samuraisourcing.com/recruit/recruit/entry.html

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【弊社のお勧め】

■『 中国調達とものづくりの現場から』(メルマガ)
バイヤーキャリア15年、中国調達7年の産機部品バイヤーのZhenさんの中国
調達実践論。その視点は、中国調達だけでなく、すべての調達に通じます。
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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

よく調達・購買業務の大切さを説く数字として、「経常利益率が5%の企
業では、1%のコスト削減は20%の売上増、経常利益率が1%の企業では、
1%のコスト削減は倍の売上増に等しい。加えて、コスト削減は成果を比
較的短期に確実な形で出せるが、売上を確実に20%上げる、倍増させる方
法はない」といった説明がされてきました。

でもこんな当たり前の説明で、経営者の方々は納得するだろうかと疑問を
持っていました。結局、この数字も「コスト削減できれば」という仮定の
話にすぎないことも、経営者の方々に響かないのではと思っていた理由の
一つです。

今回の記事は、もっとシンプルに「企業の売上、利益、儲けの仕組みは、
サプライヤ、仕入先、ベンダーなどの取引先が8割5分握っている」という
「事実」の方が経営者の方々に調達・購買、支出管理の重要性が伝わるの
ではないかと思い作成しました。

どうでしょう?調達・購買の重要性を説く社内コミュニケーションに使え
そうでしょうか?(山本)

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
 www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
■ご意見、ご感想、お問い合わせは ms1@samuraisourcing.com
  トピックスの選定や構成も皆様の声に合わせていきます  ので、ご意見、
  ご感想をお寄せ下さい。(このメールへの返信でできます)
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