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【週刊 戦略調達 vol.60 2010.6.1】
「買う」を超えて考えないともうすぐ行き詰る

【ストラテジックソーシングベンチマーク調査ご協力の御礼】

この度は、お忙しい中、ストラテジックソーシングベンチマーク調査にご
協力頂きました方には、厚く御礼申し上げます。

頂いた回答をざっと眺めますと、ある程度の仮説をもって調査に臨んでい
たのですが、その仮説を良い意味で上回る面白い結果が出ています。

* 調達担当者一人当たり年平均購買金額にはかなりのバラつき
* 調達担当者一人当たりの年平均案件数が1,000を超える企業も!
* 日本の調達・購買部門が抱える弱点はここ!

こんな形で日本の調達・購買業務のマネジメントの現状や問題点を明らか
にすることができるのではと思います。

貴重なデータを頂きましたので、こちらも様々な角度から分析を重ね、よ
りよい調査結果レポートをお届けできるよう気合を入れていきます。7月
を目処にしていますが、ご協力頂いた方は、調査結果レポートを楽しみに
お待ち下さい。(山本)
    
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【今週のトピックス】

日本経済新聞社の2009年度飲食業調査によると、外食企業の内、有効回答
企業の約2割にあたる45社が農業に参入済み、または参入の意向とのこと
です。(出所:2010年5月17日 日本経済新聞 1面)

記事によると、その背景には食の安心・安全意識の高まりや農業を巡る規
制緩和が背景にあるとのことですが、それだけではないと思います。もう
一つの背景には、企画からお客様への商品・サービスの提供までの価値が
相対的に薄れ、素材の希少性、価値が高まっていることがあります。

外食の本来の価値は、業態・メニュー開発、出店戦略、調理・接客などの店
舗運営などにありますが、業態・メニュー開発、店舗運営はどんなにぎり
ぎりまで優れたアイディアを出した所で、特に外食のような消費者向けビ
ジネスでは情報、ノウハウが丸裸になり、すぐに真似をされてしまいます。

従業員教育では会社の価値観、文化、実力などによりバラつきがでますが、
優れた会社も少なくありませんので、そうした各社が努力を重ねることで
やがては追いつかれてしまいます。

結局、価値は「希少性」のある所に移る訳ですが、そうした中で、外食産業
でも、より川上の素材に目をつけ、自社農園での栽培という流れが生まれ
ていることも、今回の調査結果を後押ししているものと考えられます。

こうした川上への希少性のシフトは、外食産業に限ったことではありませ
ん。あなたも、鉄鉱石を始めとする鉱石類、レアメタル、レアアースなど
で資源メジャー、素材メーカの立場が強くなっているというのを肌身で感
じたり、ニュースで見聞きしていませんか。資源メジャーや素材メーカが、
強気の値上げを迫ったり、価格交渉方式の市場連動型への切り替え、価格
見直し期間の短縮化など、いずれも資源、素材の高騰に合わせて、それを
スムーズに価格転嫁するための動きです。市場連動型の価格決定や、価格
見直し期間の短縮は、相場のトレンドによっては買い手にとってもメリッ
トがあることも多いのですが、需要の回復の兆しが見えない現在、これら
の見直しが資源メジャーから鉄鋼メーカへ、鉄鋼メーカから自動車、電機
メーカへなど川上から少しずつ川中、川下に向かって進んでいるというの
が特徴的です。

もう一つの懸念は、市場が機能しなくなっていることです。これまでの商
品市場は、需給の調整や先物による価格安定機能を果たしてきました。し
かし、近年のマネーの過剰流動性により、投機マネーが非常に大量に様々
な商品市場に入り込むことにより、短期的な価格の上下のブレが激しすぎ
て、商品市場が需給、価格の調整機能を果たせなくなっています。先の値
決め方式の市場連動型、価格見直し期間の短縮と相まって、買い手企業に
とっては、今後の資源、素材の価格がますます安定しなくなることが懸念
されています。買い手企業にとっては、中長期的な価格上昇だけでなく、
この価格の不安定さが個々の意思決定を難しくし、その巧拙によって業績
を大きく左右されることになることから、非常に頭の痛いところです。

このような中では、短期的には調達・購買部門としては、便乗値上げの防
止、モノの確保といったこと以外にできることはありません。仕様の変更
による使用量の削減、代替素材への切り替えの検討など、他に手はないこ
とはありませんが、これらは、どちらかというと中長期的な取組みになり
ます。

他にも、メジャー化するサプライヤに対抗する上での共同購買、同業他社
や類似業種との事業提携、M&Aによる統合といった手はあります。また、
資源を直接確保するといった意味での川上との垂直事業提携、資源権益へ
の出資、川上企業の買収といった手もない訳ではありません。

しかし、これらも、短期的な手段ではなく、中長期的なものです。そう、
短期的に原料・素材分野で調達・購買部門ができることはあまりない、これ
が現実なのです。

だからこそ、短期的な目の前のものを確保するという問題の解決に追われ
るだけでなく、中長期的な代替手段を同時に考えていく必要があります。
どの原料、素材分野であっても、こうした構造変化の動きを肌で感じてい
るのは、経営者ではなく、その市場に日々対面している調達・購買部門と
その担当者です。

相場を張ったり、交渉といった短期的な手段では、もうすぐ行き詰まりが
くること、使用量の削減、代替素材、事業提携、川上への出資など、自身
の担当している市場で最も有効な方策は何なのかといった中長期な戦略に
ついての情報発信ができるのは、調達・購買部門とその担当者に他なりま
せん。

外食企業に留まらず、様々な業種において、「事業提携やM&Aは経営者が
考えること」「自分達は目の前のものを1円でも安く買うのが仕事」という
モノを「買う」という発想を超えた中長期的な調達・購買戦略の提唱、推
進が調達・購買部門の一つの大きな役割になってきています。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

本日6/1より新しいオフィスに移ります。新住所、連絡先は、
〒102-0083 東京都千代田区麹町6-2-6 ユニ麹町ビル4階
Tel.03-4500-1342(代表) Fax.03-5215-7073
となります。

今度の電話番号の下四桁は「いざ世に(1342)」です。これにあやかって、
これを契機に世に出ていきたいと考えていますので、今後とも一層のご支
援ご指導の程、よろしくお願い申し上げます。
(スタッフ一同を代表して、中ノ森 清訓)

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
 www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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