【週刊 戦略調達 vol.51 2010.3.30】
技術、理論軽視が懸念されるのは野球界だけでなく
【今週のトピックス】野球評論家の豊田泰光氏のコラム(2010年3月11日 日本経済新聞 37面)
での日本の野球界での韓国選手躍進に関する考察が、日本の調達・購買、
日本企業停滞の原因と重なっている気がします。
氏のコラムによると、日本の高校の野球チーム数が4,100校あるのに対し、
韓国はわずか53。それでも、日本の球界で活躍する韓国人プロ野球選手は
後を絶たず、オリンピック、WBCでも、韓国はかなりの強敵です。
韓国には徴兵制があり、五輪などで活躍すると徴兵が免除されるかもしれ
ない、兵隊にとられてもプロに行くほどの有望な選手は、ひじを壊すほ
ふく前進のような訓練は手加減してくれるらしいといった思惑が、アマチュ
ア選手のやる気をかきたてている、だから、韓国人は精神力が強い、日韓
の逆転は精神力によるものだという説明に、我われはうなずいてきました。
しかし、氏は韓国野球の別の側面に着目しました。それは、ある韓国選手
の変わった練習方法です。その選手は右打者ですが、ティー打撃で、最初
右手だけでバットをもち、インパクト直前に左手を添える。日本では、右
打者は左腕がバットをリードするので、左腕だけで振ることはあるが、右
腕だけのスイングはやらない。日本のコーチは、何の効果があるのか分か
らず、首をかしげていたとの事です。
しかし、氏がよくみると、インパクトの「瞬間」の感覚を研ぎ澄ますには
効果があるものとみえ、両手で打った時の打球が違っていた。氏は、この
体験から、底辺さえ広げれば、頂点は自然と高くなるという、日本の「ピ
ラミッド理論」は、かなりのんきで疑問符がつくと指摘しています。また、
「常識」にないことを自由に取り入れる韓国の柔軟性を評価しています。
そして、最後に「韓国勢は気合が違う」というが、そればかりではなく、
技術、理論の側面に率直に目を向けるときと警鐘を鳴らしていました。
野球界の実情については良く分かりませんが、この氏のコラムを読んだ時
に、日本の調達・購買、日本企業の仕事の進め方、人の育て方の問題によ
く似ていると感じました。
日本では、縦割りの業界知識は重視しますが、横串の業務スキルやマネジ
メント理論にはあまり注意を払っていないように見受けられます。たとえ
ば、業務を標準化した手順で構成される「プロセス」と捉え、業務を標準
化して体系化して整理、改善、知識を蓄積していくアプローチがあります
が、「調達・購買業務をプロセスとして標準化して」などと話を始めると、
「調達・購買の仕事は、そんなものじゃない。ウチの購買は特殊だから」
と一蹴されるのが殆どです。
新卒採用では、青田買いまでして優秀な新卒を採用するのに血眼ですが、
採用した後の人材育成は、現場任せ、最悪の場合は、各個人が自ら学びな
さいとほったらかし。
コスト削減、経費削減も、合理的・科学的に進められる事は少なく、「と
にかく下げろ!」の大号令で、現場の担当者が自己流でなんとか進めてい
るというケースが殆どです。
仕事で何か新しい取組みを始めようとしても、「そんなのは業界の『常識』
では通用しない」「そんなのは前例がない」と一蹴してしまう。
企業の競争環境は刻々と変化しており、利用できる技術は日進月歩で進化
しています。新しいものを使うのが必ずしも良いとは言いませんが、少な
くとも、試してみなければ、使えるか使えないか本当の所は判断できませ
ん。1960年代の高度成長期と変わらない仕事のやり方で、今でも通用する
という事はさすがにないでしょう。しかし、今の調達・購買の現場は、19
60年代のそれらと、どう違っているでしょうか?。
スポーツの世界でも、最近、世界レベルで戦えているサッカーや水泳では、
試合中の各選手の走行距離やその軌跡、個々の選手の筋肉の動かし方や心
肺機能と練習の関係などを科学的に分析しています。
一方で、これまで日本のお家芸と言われていたバレーやマラソンでは、長
い低迷が続いています。企業も、日本はかつて経済大国と言われて、世界
中から日本企業の成功の秘密が研究の対象とされた時代がありました。こ
れらに共通するのは、先人達が努力や練習方法、仕事の進め方の研究を積
み重ね、頂点に到達していったのに対し、一度、頂点に立つと、「日本は
強い」「日本は優れている」という過去そうであったというだけで何の根
拠のない自信や驕りから、先人達が行なってきた努力や研究を怠ってしまっ
たことにあるのではないかと思います。
日本では、技術立国ということもあって、いまでも製品・サービスの研究
開発は盛んですが、仕事やマネジメントの研究開発は不足しているのでは
ないでしょうか。
モノがあふれ、よいモノを時間を掛けて作れば売れるという時代ではなく
なりました。技術、理論の側面に率直に目をむけ、研究を積み重ねていく
必要があるのは、野球界だけではなく、仕事の進め方やマネジメントにつ
いてもではないでしょうか?
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【東京工業大学大学院 キャリアアップMOT ストラテジックSCMコースの
ご案内】
東京工業大学大学院 キャリアアップMOT(CUMOT)サプライチェーン戦略
スクール ストラテジックSCMコースにて、弊社代表の中ノ森が講師を務め
ます。
CUMOTのプログラムは、東京工業大学大学院イノベーションマネジメント
研究科が主体となり連営する、企業の次世代を担う中核人材のキャリアアッ
プを支援する技術経営(MOT)教育プログラムです。
グローバル化する世界のニーズに応えて、新たなパラダイムに対応する新
しいサプライチェーンの創造が企業にとって大きな課題となっています。
サプライチェーン戦略スクールは、日本は個々の現場力、製品やサービス
の品質では海外に比べて勝っているのに、ビジネストータルとしてのサプ
ライチェーンマネジメント(SCM)やその成果としての収益力では遅れをとっ
ているという問題意識について、東京工業大学と産業界のメンバーが議論
を重ね、この現状を打ち破る解として、企画されたものです。
サプライチェーン戦略スクールの第一弾として、ストラテジックSCMコース
(春期)が、5月から8月にかけて開催されます。弊社代表の中ノ森は、こ
のストラテジックSCMコースでは、SCMにおける調達・購買機能のマネジメ
ントのあり方についての講義を担当します。当講義では、SCMにおける調
達・購買機能のマネジメントとはどうあるべきか、また、グローバル市場
におけるその先進事例について講義する予定です。
このコースでは、他にSCMの実務の一線で活躍しながら先端的な研究を怠
らない優れた方々を講師陣に迎え、企業の方々が、グローバル化の時代に
ふさわしい新しい構想に基づいて、幅広い経営的な視点と経営科学的なア
プローチで、それぞれの企業の戦略に即したサプライチェーン・マネジメ
ントを学び、それぞれの企業でのSCMの実現への道筋を見つけ出す力をつ
けて頂く事を目指しています。
これからのグローバル競争の軸となるSCMの根幹を理解した経営者として、
あるいはSCMのプロフェッショナルとして、日本の強み、文化を活かし、
グローバル競争に打ち勝つ、新しいSCMの形を一緒につくって行きたいと
いう経営者、経営幹部、経営企画、情報システム企画、調達・購買、生産
管理、物流部門の方々に、是非ご参加頂ければと存じます。
願書受付は3/1(月)~ 4/16(金)、締切日必着となります。志望理由な
ど、少し時間が必要と思われますので、お早めに準備頂く事をお勧めしま
す。カリキュラム概要、募集要綱などにつきましては、
東京工業大学大学院 キャリアアップMOTのウェブサイト
http://www.mot.titech.ac.jp/cumot/sss/scm/
をご覧下さい。
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【「穫れたて調達情報」コーナー開設のご案内】
弊社では、この度、お付き合いさせて頂いている優良サプライヤの方々か
らこっそり教えて頂いた、穫れたてのお得情報をご紹介する「穫れたて調
達情報」コーナーを、弊社サイト内に設けました。
「穫れたて調達情報」の第一弾は、バクテリアを99%捕捉する「サージカ
ル/メディカルマスク」と、花粉症対策や食品加工等の衛生作業向けの
「フェイスマスク」です。今回のお得な点は、中国工場からの直接調達に
よる価格優位性です。
今回のマスクご紹介を記念し、不織布三層マスクを関東地域への送料込で
1カートン=5,510円(50枚/1ケース×40ケース=2,000枚、1枚=2.76円)
で販売します。限定100カートンの特価販売です(関東地域以外の方は別
途ご相談させて頂きます。お気軽にお問合わせ下さい。)
「穫れたて調達情報」ならびに「サージカル/メディカルマスク」「フェ
イスマスク」の詳細情報はこちらです。 ⇒
http://www.samuraisourcing.com/partners/goods/
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スト削減?」セミナーテキストを無料配布しています。
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* お勤め先メールアドレス
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をご記入の上、ms1@samuraisourcing.com 宛に、もしくはこのメールの返
信にてお申し込み下さい。
※当資料の配布は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方向けに行っ
ているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、コンサルティン
グ業やソリューション提供業の方の申し込みについてはお断りさせて頂き
ます。ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
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弊社では、喫緊の課題である環境問題に調達・購買活動から貢献すべく、
環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それに資する優良なサ
プライヤの紹介など、企業の調達・購買活動からできる環境経営に関する
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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
スポーツの世界からは、マネジメント、人材育成、プロフェッショナルと
してのあり方など、色々と教わる事が多いです。特に、豊田泰光氏のコラ
ムは、自身の経験を踏まえて、プロ野球選手の裏側を整理して書かれてい
るので、個人的にはいつも楽しみにしています。(山本)
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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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