【週刊 戦略調達 vol.49 2010.3.16】
「日本は技術、品質、安全、サービスに優る」「国産>外国産」「社員>外部」神話を疑う
【今週のトピックス】「日本企業は技術力がある、品質・サービスがよい」「国産は外国産より
安全」「外部より社員の方が信頼できる」、最近よく聞くフレーズですが、
それらを担保するデータも示されず、観念論的なものが多いのが気になり
ます。
今回は、この神話を揺るがすようなケースを基に、「日本は技術、品質、
安全、サービスに優る」「国産>外国産」「社員>外部」神話について考
えます。
国土交通省がスカイマークに対し厳重注意を行いました。その内容は、飛
行前点検で、客室乗務員が体調不良で十分に声が出せないのに気づいた機
長が、緊急時の乗客の誘導等に支障をきたすと判断し、その乗務員の交代
を求めました。これに対し、スカイマークの西久保社長と井手会長は、機
長らを乗せて飛行機に向かうバスに乗り込み、乗務員を交代させずにその
まま運航するよう要求、機長が安全管理上問題があるとして拒否すると、
客室乗務員ではなく、機長を別の機長に交代させて、その便を出航させま
した。
航空法では、運航に関する安全のための判断及びその措置の最終決定権を
有しているのは機長であり、スカイマークも航空法に基づく運航規定で安
全の最終判断は機長がすると定めていますが、スカイマークの西久保社長
と井手会長との判断は、これを覆すものです。
加えて、スカイマークは、約2年間残っていた運航を拒否した機長との契
約を即日解除しました。(出所:2010年3月9日 国土交通省発表、読売新
聞、3月10日 産経新聞)
報道が正しければ、自分の職を賭してでも乗客の安全を守ろうとするこの
機長の職業人としての倫理観は、非常に尊敬されるべきものです。この機
長は、外国人であり、人材派遣会社からの派遣契約でスカイマークに派遣
されていました。
今回の事例は一つの事例に過ぎませんので、「日本企業は技術力がある、
品質・サービスがよい」「国産は外国産より安全」「外部より社員の方が
信頼できる」という神話が完全に崩壊した訳ではありません。平均的には、
日本企業の品質・サービスはよいかもしれません。
しかし、その割には、世界でのマーケットシェアを見ると、日本企業が上
位を得られているのは限定的かつ減少傾向にあります。また、データもな
く「日本企業は技術力がある、品質・サービスがよい」「国産は外国産よ
り安全」と唱えているのは、競争の現場にいる企業人ではなく、政治家や
知識人、マスコミなどである事を考えると、そうあって欲しいという願望
や昔そうであったというノスタルジーのように感じられ、どっちもどっち
という感があります。
私たちがいる調達・購買の現場は、必要とされているモノを確保するのが
目的で、一般論やマクロな視点ではなく、最終的には目の前にあるモノ、
担当者が信頼に足るもか否かをというミクロの視点が大切です。取引の目
的が、短期的な物品やサービスなど具体的であればある程、企業や事業レ
ベルではなく、物品や担当者といったミクロな視点が重要になります。
このミクロの視点に立った時、よいものを安く買うには逆張りの発想が重
要です。コストは理論で決まりますが、価格はサプライヤの意志や相場で
決まります。価格が相場で決まるならば、逆張りでなければ、よいものを
安く買えません。順張りでは、よくて高値づかみ、悪ければ、バブルに引っ
かかってしまいます。しかし、調達・購買では、産業や企業ではなく、ど
の物、誰と付き合うかというミクロな視点の方が重要になるのであれば、
幾らでもよいものを安く調達する機会はあります。
「有名な大企業よりも無名な中小、ベンチャー企業」「一言えば十理解す
る日本企業ではなく、十言っても一しか持ってこない外国企業」「即戦力
の中途採用よりやる気のある新卒採用」でも、目の前にいるサプライヤ、
担当者が信頼できるのであれば、彼/彼女らと付き合った方が、3割どこ
ろか、1桁あるいは2桁のコスト低減が可能です。
また、民主党政権になって、雇用の硬直化がますます懸念される現在は、
経営者にとっては、正社員を増やすにはあまりにもリスクが多く、サプラ
イヤの力を上手く使って、現社員の生産性を飛躍的に拡大する以外に現実
的な選択はありません。
残念ながら、雇用政策については、政党に関わらず、政治家・官僚とも、
厳しいグローバル競争の現実を理解している人は皆無に等しいと言わざる
を得ません。それにしても、現在の雇用政策は、小手先の対策が問題をよ
り悪化させる典型的な事例のような気がしてなりません。
このような現実の中では、「国産>外国産」「社員>外部」といったこれ
まで当たり前とされていた常識、神話を疑う事が突破口になるものと考え
ます。
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【東京工業大学大学院 キャリアアップMOT ストラテジックSCMコースの
ご案内】
東京工業大学大学院 キャリアアップMOT(CUMOT)サプライチェーン戦略
スクール ストラテジックSCMコースにて、弊社代表の中ノ森が講師を務め
ます。
CUMOTのプログラムは、東京工業大学大学院イノベーションマネジメント
研究科が主体となり連営する、企業の次世代を担う中核人材のキャリアアッ
プを支援する技術経営(MOT)教育プログラムです。
グローバル化する世界のニーズに応えて、新たなパラダイムに対応する新
しいサプライチェーンの創造が企業にとって大きな課題となっています。
サプライチェーン戦略スクールは、日本は個々の現場力、製品やサービス
の品質では海外に比べて勝っているのに、ビジネストータルとしてのサプ
ライチェーンマネジメント(SCM)やその成果としての収益力では遅れをとっ
ているという問題意識について、東京工業大学と産業界のメンバーが議論
を重ね、この現状を打ち破る解として、企画されたものです。
サプライチェーン戦略スクールの第一弾として、ストラテジックSCMコース
(春期)が、5月から8月にかけて開催されます。弊社代表の中ノ森は、こ
のストラテジックSCMコースでは、SCMにおける調達・購買機能のマネジメ
ントのあり方についての講義を担当します。当講義では、SCMにおける調
達・購買機能のマネジメントとはどうあるべきか、また、グローバル市場
におけるその先進事例について講義する予定です。
このコースでは、他にSCMの実務の一線で活躍しながら先端的な研究を怠
らない優れた方々を講師陣に迎え、企業の方々が、グローバル化の時代に
ふさわしい新しい構想に基づいて、幅広い経営的な視点と経営科学的なア
プローチで、それぞれの企業の戦略に即したサプライチェーン・マネジメ
ントを学び、それぞれの企業でのSCMの実現への道筋を見つけ出す力をつ
けて頂く事を目指しています。
これからのグローバル競争の軸となるSCMの根幹を理解した経営者として、
あるいはSCMのプロフェッショナルとして、日本の強み、文化を活かし、
グローバル競争に打ち勝つ、新しいSCMの形を一緒につくって行きたいと
いう経営者、経営幹部、経営企画、情報システム企画、調達・購買、生産
管理、物流部門の方々に、是非ご参加頂ければと存じます。
願書受付は3/1(月)~ 4/16(金)、締切日必着となります。志望理由な
ど、少し時間が必要と思われますので、お早めに準備頂く事をお勧めしま
す。カリキュラム概要、募集要綱などにつきましては、
東京工業大学大学院 キャリアアップMOTのウェブサイト
http://www.mot.titech.ac.jp/cumot/sss/scm/
をご覧下さい。
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【「穫れたて調達情報」コーナー開設のご案内】
弊社では、この度、お付き合いさせて頂いている優良サプライヤの方々か
らこっそり教えて頂いた、穫れたてのお得情報をご紹介する「穫れたて調
達情報」コーナーを、弊社サイト内に設けました。
「穫れたて調達情報」の第一弾は、バクテリアを99%捕捉する「サージカ
ル/メディカルマスク」と、花粉症対策や食品加工等の衛生作業向けの
「フェイスマスク」です。今回のお得な点は、中国工場からの直接調達に
よる価格優位性です。
今回のマスクご紹介を記念し、不織布三層マスクを関東地域への送料込で
1カートン=5,510円(50枚/1ケース×40ケース=2,000枚、1枚=2.76円)
で販売します。限定100カートンの特価販売です(関東地域以外の方は別
途ご相談させて頂きます。お気軽にお問合わせ下さい。)
「穫れたて調達情報」ならびに「サージカル/メディカルマスク」「フェ
イスマスク」の詳細情報はこちらです。 ⇒
http://www.samuraisourcing.com/partners/goods/
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【株式会社 戦略調達からの他の情報提供のご案内】
■調達・購買コスト削減、業務改善にお悩みの方必見!「どこから始める
調達・購買コスト削減?」セミナーテキストを無料配布】
弊社では、先般開催し、高い評価を頂いた「どこから始める調達・購買コ
スト削減?」セミナーテキストを無料配布しています。
詳細はこちら⇒http://samuraisourcing.com/news/post_10.html
セミナーテキストの申し込みは、タイトルを「どこから始める調達・購買
コスト削減セミナーテキスト希望」として、
* お名前
* 会社名
* 部署名
* 役職名
* お勤め先メールアドレス
* 電話番号
をご記入の上、ms1@samuraisourcing.com 宛に、もしくはこのメールの返
信にてお申し込み下さい。
※当資料の配布は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方向けに行っ
ているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、コンサルティン
グ業やソリューション提供業の方の申し込みについてはお断りさせて頂き
ます。ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
■調達・購買から始める環境経営、環境調達.com
弊社では、喫緊の課題である環境問題に調達・購買活動から貢献すべく、
環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それに資する優良なサ
プライヤの紹介など、企業の調達・購買活動からできる環境経営に関する
情報発信を行う、環境調達.comを運営しています。
環境調達.comはこちら⇒ http://samuraisourcing.com/knowledge/green/
環境調達.comの開設に合わせて、毎週木曜日+都度、環境調達.comの新着
トピックスを無料でお届するメールマガジン「環境調達.com」の配信も開
始しました。メールマガジン「環境調達.com」のご購読はこちら(ご購読
は無料)⇒ http://www.mag2.com/m/0000293666.html
■調達・購買部門のマネジメントblog 「調達・購買部門の縦と横」
調達・購買部門のマネジメントのあり方について、1.部門マネジメント、
2.体系化、3.実践という弊社独自の視点により、ブログ形式でまとめ、弊
社サイトにご登録頂いた方に限り公開しています。詳細はこちら⇒
http://samuraisourcing.com/knowledge/blog/
※「調達・購買部門の縦と横」は、調達・購買・物流関連業務に携わって
いる方向けに行っているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、
同業他社様からの申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて頂
く場合がございますこと、ご了承願います。
■調達・購買プロフェッショナル登録
当制度は、弊社でのポジションの有無に関わらず、調達・購買業務でキャ
リアを形成したいという方々に、希望する調達材カテゴリやご経歴などを
伺い、適したポジションの募集が生じた場合に、優先的にご登録頂いた方
へ働きかけるものです。
ご登録頂いた方には、定期的情報提供やトレーニング、各人の研鑽を目的
としたディスカッションセッションなどへのご招待といったメリットがあ
りますので、是非ご登録をお願いします。詳細はこちら⇒
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【弊社のお勧め】
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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
なかなか理解してもらえないのですが、モノ、ヒト、カネ、情報あらゆる
経営資源は、外部からの調達が可能です。例えば、生産委託はモノだけで
なく、ノウハウという情報、研究開発や生産に携わるヒトの調達手段の一
つです。カネも銀行だけでなく、社債、株式発行など色々な調達手段があ
ります。経営すら、正しいか否かに関わらず、ビジョンや経営戦略などを
外部に委託している企業が数多くあるのが現実です。
このように、現在は、外部から調達できない経営資源は皆無です。ですの
で、問題は、いかに外部から経営資源を上手く調達するかの前に、何を自
社で確保し、何を外部から確保するかがあり、その答えは、個々の会社が
目指すものによって異なります。
航空会社の会長と社長が安全を軽視するならば、まず調達しなければなら
ないのは、機長ではなく、経営陣でしょう。それを効果的効率的に調達す
る方法など、幾らでもあります(山本)
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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
■ご意見、ご感想、お問い合わせは ms1@samuraisourcing.com
トピックスの選定や構成も皆様の声に合わせていきます ので、ご意見、
ご感想をお寄せ下さい。(このメールへの返信でできます)
■引用、転送などは、出所を明記して頂ければ、了承を得たものとします。
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