ナレッジ  » 週刊 戦略調達 vol.39 2010.01.05

【週刊 戦略調達 vol.39 2010.01.05】
調達・購買業務はコスト削減額で測ってはいけない

【「週刊 戦略調達と環境調達.comで2009年を振り返る」企画へのご協力
のお願い】

2010年の企画第一弾のご協力のお願いです。2009年を振り返って、2010年
を占います!

当誌「週刊 戦略調達」と、調達・購買からできる環境経営に関する情報
発信を行う「環境調達.com」、これらの記事で2009年を振り返ってみませ
んか?

それぞれの記事一覧の中から、2009年を最も象徴しているなぁと思われる
ものをお選び下さい。集計の結果で弊社にて現在の世相を占います。30秒
と掛かりませんので、よろしくお願い申し上げます!

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【今週のトピックス】

明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
今年も、あなたのお役に立つような調達・購買業務とそのマネジメント、
コスト削減・経費削減のヒントになるような記事の提供に努めて参ります
のでよろしくお願い申し上げます。

新しい年を迎え、あなたも、調達・購買業務についても今年の目標設定を
考えていらっしゃるかもしれません。その最たるものはコスト削減目標で
はないでしょうか。実は、調達・購買業務の業績目標として、コスト削減
額を掲げるのは、百害あって一利なしです。今回は、お客様とのやり取り
の中で、そうした目標設定で行いがちな誤りの防止に役立ちそうなものが
最近ありましたので、それをご紹介します。

それは、お客様からの質問で、市況品のcost reduction(コスト削減額)、
cost avoidance(コストアボイダンス、コスト抑制額)の定義について教
えて欲しいというものでした。背景には、企業合併で二社の購買部門が一
つになり色々な取組みを検討しているが、用語や定義のところがどうも各
社バラバラで話がかみ合わないという事があるとの事でした。

弊社の商売を考えるのであれば、市況品のコストは、市況ベンチマーク+
スプレッドで決まるので、スプレッドの改善額で評価しますというような
小難しい技術的な話をもったいつけて話をしたり、調達・購買業務のKPI
には他にもこんなものが考えられますという長々としたリストをお渡しす
れば良かったのかもしれません。

しかし、大抵、コスト削減額やコスト抑制額の定義が問題になる時は、調
達・購買部門や担当者のパフォーマンス評価に関連してであり、これらは、
コスト削減額、コスト抑制額、KPIの何れでも評価できないので、こうやっ
て測ればよいというのは、相手の質問に答えているようで、実は相手を誤っ
た方向に導いてしまうので、何れも幾ら厳密に定義して測っても、使いも
のになりませんとお答えしました。

コスト抑制額は、あなたも何となく感じているかもしれませんが、そのア
クションを取らなかった時に想定される仮想のコストからの回避額のため、
何を以って仮想のコストとするかで不毛な議論が起こります。不良率の前
提や事故で供給停止などのリスクが顕在化した時の損害の数字をいじるだ
けで、抑制の前提となるコストを幾らでも膨らませる事ができます。

では、コスト削減額は、現在のコストからの削減額だから、間違いようが
ないかというとそんな事はありません。お客様が市況品について聞いてき
たのは、コスト削減が市況によるものか、担当者の努力によるものか分け
たかったからでしょう。これは市況品だけの問題ではありません。特注品
であっても、原材料やサプライヤの稼動率などの市況の影響によって下がっ
た部分やサプライヤの経営努力でコストが下がった部分と、担当者の努力
でコスト低減につながった部分を分ける事はできません。

これらの影響を除外しようとその時の初回見積から幾ら下がったかをコス
ト削減額とするという会社もあるようですが、そのような会社では、初回
からサプライヤが適正な価格の提示を行うと、「もっと高めの見積をまず
持って来い!」と付き返されるというのは、管理者や経営者は気づいてい
ないかもしれませんが、現場レベルでは、日常茶飯事です。

こうした使えない指標の定義を巡る議論や、その結果に一喜一憂し、その
改善に右往左往しても、適正なモノを適正な価格で適正なサプライヤから
買えませんし、貴社のキャッシュフローに実のあるインパクトも得られま
せん。しかし、調達・購買部門が果たすべき責務は正にこれらの点ではな
いでしょうか。

目指すべき結果とリンクしていない指標は、パフォーマンス評価にも、担
当者、部門のマネジメントにも使えません。実際には、こうした指標は、
使えないどころか、担当者、部門のエネルギーを浪費させ、時には、サプ
ライヤと結託して高い見積を持ってこさせたり、そこまでの悪意がないに
しても、評価項目にない品質評価やリスク管理の対策で手を抜くなど、担
当者や部門を望まない方向に、誘導してしまいます。

これは成果主義の弊害として上げられている点と似ていますが、これらの
問題は、成果主義の弊害ではなく、成果の定義ができていない事、つまり
マネジメントの問題と、弊社では考えています。正しい目標設定をするの
は、マネジメントの仕事の一つです。

調達・購買業務で正しい目標設定ができない企業が多いのは、これまで多
くの企業経営者や調達・購買業務管理者の方々と話をしてきた結果、これ
らの業務の特性を理解していないのが大きな要因の一つと弊社では考えて
います。

長くなりましたので、次回、調達・購買業務の特性から、この問題につい
て考えます。今回は、少なくとも「調達・購買業務のパフォーマンスはコ
スト削減額で測っていけない」という事を、覚えておいて頂ければと存じ
ます。

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※当資料の配布は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方向けに行っ
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グ業やソリューション提供業の方の申し込みについてはお断りさせて頂き
ます。ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

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プライヤの紹介など、企業の調達・購買活動からできる環境経営に関する
情報発信を行う、環境調達.comを運営しています。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
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■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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