【週刊 戦略調達 vol.33 2009.11.24】
日立、東芝、ソニーなど大手電機メーカのTV自社生産縮小の意味
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【今週のトピックス】
日立製作所や東芝、ソニーなど大手電機メーカが薄型テレビの自社生産を
縮小しています。
日立は中国など3ヵ所あった海外テレビ工場での生産を今年に入りすべて
打ち切り、国内に1工場だけ残します。東芝は、東南アジアの生産をイン
ドネシア1拠点に集約し、今期中にもベトナム生産から撤退します。東芝
は、8月に英国での生産を終了し、欧州の生産はポーランドに集約しまし
た。東芝のテレビ工場はピーク時の7から5ヵ所に減少します。ソニーは08
年初めに13ヶ所あったテレビ工場を段階的に削減。メキシコのティファナ
工場を台湾EMS大手の鴻海精密工業に売却するなどして、10年3月までに
6ヵ所までに減らします。
背景には、サムスン電子やLG電子など韓国勢の攻勢による価格競争の激化
があり、これらの大手電機メーカは、自社生産からEMS(Electronics
Manufacturing Service:電子機器の受託生産を専門に行う企業)などへ
の生産委託により、生産コストの引き下げを狙っています。
日立は、今期は販売台数の約5割にあたる70万台程度の生産を外部に委託
し、EMSを活用し生産を打ち切った中国での販売も継続します。東芝は、
外部委託比率を、09年3月期の約3割から来期には5割以上に増やします。
ソニーも生産委託でコスト引き下げを図っています。
(出所:日本経済新聞 2009年11月16日 1面)
こうしたドラスティックな自社生産を軸としてきたビジネスモデルの見直
しは、調達・購買業務のあり方にも転換を迫ります。
これまでの調達・購買業務は、特定の品目・業界の知識や、サプライヤと
の人間関係に頼ったやり方が中心でした。しかし、外部への生産委託が進
めば、調達・購買の対象は、特定の品目から生産そのものの外部委託先の
選定に一気に変わってしまいます。それまで培った品目・業界の知識や、
サプライヤとの人間関係が、一気に通用しなくなってしまうのです。
このように、調達・購買の対象がどんどん変わっていく世界では、対象品
目・業界の知識や、サプライヤとの人間関係に頼ったやり方から、対象に
左右されない調達・購買の技術そのものを磨いていく方向にシフトしなけ
れば、調達・購買部門、担当者の存在意義が危うくなってしまいます。
自社生産の縮小は、調達・購買業務のあり方が、品目・業界の知識や、サ
プライヤとの人間関係頼みから、普遍的な調達・購買技術の習得・研鑽に
移ってきている事も意味しているのです。
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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
今回のケースのような生産委託の事例を目の当りにしますと、どのような
業務も普遍的なプロフェッショナルのレベルまで磨き上げ、色々な形で応
用できるようにしないと、職そのものが無くなってしまう時代になったと
感じます。(山本)
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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
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