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【環境調達.com 第26号 2009.12.17】
東洋インキ製造、2010年からMFCAを本格展開

【環境調達.com 新着トピックス】

東洋インキ製造は、2010年から、MFCA(マテリアルフローコスト会計)を
生産部門や研究部門へ本格展開するとの事です。
(出所:ITpro 事例データベース 日経情報ストラテジー 2009.12.14)

MFCA(Material Flow Cost Accounting:マテリアルフローコスト会計)
は、管理会計の一つです。製造プロセスでムダに使われている原材料や部
品といった資源やエネルギーに着目し、それらのムダを明らかにできるこ
とに特色があります。

MFCAでは、廃液や切屑、不良品などから生じる産業廃棄物に留まらず、こ
れまでの原価計算や歩留管理で見込んでいた歩減も含めて、最終製品に組
み込まれなかった原材料・部品、ならびにそれらの製造に用いられたエネ
ルギーや加工費、設備の減耗を、各工程・プロセスでの"ロス(損失)"と
して認識し、それらを"負の製品のコスト"としてコスト評価を行います。

例えば、1枚100円の材料を100枚の投入し、1枚100円で加工後、良品が95
枚産出される工程を想定します。これまでの歩留管理では、95枚以上の良
品が製造される限り、この工程は問題とされず、標準製造原価としては、
材料費単価約105円、加工費単価105円と想定され、95枚の加工で、材料費
10,000円、加工費10,000円と計上され、良品の価値として不合格品の材料
費、加工費が織り込まれます。

MFCAでは、この各工程での良品とロスとを「正の製品原価」「負の製品原
価」と分けて集計し、例の加工工程の場合には、100枚の加工の合計で
「正の製品原価:材料費9,500円、加工費9,500円」「負の製品原価:材料
費500円、加工費500円」と分けて計上され、どれだけの投入材料やエネル
ギーが実際の製品に反映されることなく失われているかを明らかします。
(これまでの原価計算や歩留管理とMFCAの違いの図解説明をご希望の方は、
こちら⇒
http://samuraisourcing.com/service/green/green/mfcaleangreen.html )

MFCAは、このように、あくまでも管理会計の手法なので、この損失を自動
的に解消してくれるものではありませんが、工程の中に潜むムダの所在を、
ピンポイントに金額で明らかにします。

真の原因が明らかになった時に、その問題の9割は解決したと言います。
MFCAは、これまで見過ごしてきたロスの大きさと共に、それがどの各工程・
プロセスで生じているかを明らかにし、その原因を特定することを助けて
くれるという点において非常に優れたツールです。

加えて、MFCAの導入に必要なのは、基本的には、これまでの歩留管理から、
そこで許容されていたロスをコストとして細かく認識するという着眼点の
転換だけです。

全社で全面的に展開するには工程毎のロスの認識、計上、集計ができるよ
う設備やITに投資する必要があるかもしれません。ただ、導入初期の段階
では、設備やITへの投資はせずに、集められるデータだけで、工程毎のロ
スを別に積み上げてみるだけで、多くのムダが発見できるものです。

そこで得られた改善機会からの成果で、どれだけ設備やITに投資すべきか
が明らかになります。このように、MFCAを用いてムダを金額で把握する事
には、改善にどれかでの予算を掛けられるかを明らかにする事で、具体的
なアクションにつなげられるとう副次的効果もあります。

東洋インキ製造では、2008年11月から川越製造所のプラスチック用着色剤
の生産部門でMFCAを試験的に適用、その後電子メディア材料などを生産す
る守山製造所の一部部門に展開、いずれの取り組みでも、廃棄物コストが
顕在化し有効な現場改善策を導き出すのに役立った事から、「環境対策と
コスト削減を促進する全社共通の指標として利用できる」(松山茂樹常務
取締役生産物流本部本部長)と判断、水平展開を決めたとの事です。

このように、小さく始めて大きく育てる事ができるのは、MFCAの一つの強
みではないかと思います。あなたの会社でも、できる所でMFCAの試みを始
められてはいかがでしょう?

※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考
情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約に
ついては、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約
についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あ
らかじめご了承下さい。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

MFCAは、これまでの歩留管理から、そこで許容されていたロスをコストと
して細かく認識するという着眼点の大胆な転換は必要ですが、その後は、
地道にデータを積み上げ、改善機会を明確にするという現場改善のツール
です。

ですので、現場改善を得意とする日本企業にとってはなじみ易い手法だと
思います(山本)

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